No.19 聞こえる聞こえる

人間の感覚器官ほど

――実は頼りないモノ――

というのは
そうそうないと思うのだが、


まぁなんとか挙げるなら

「恋人が悪漢に絡まれたときの彼氏」

とか

「クラスに一人はいる左利き」

とか

「『実質無料』という言葉」

とかになるのか。

しかし、やはりその筆頭に立つのは
僕らの持つ感覚器官だ。


下の動画。
写っているのは僕で、
それを理解するのは目。

僕の歩く音、車の音、ヘリコプターの音、救急車の音、いろいろ聞こえてくる。
それを拾うのは耳。

この動画で気持ち悪くなり
胃酸があがってきたなら、
口のなかはひどい気分だ。

鼻は――……鼻かぁ~………………。
今どんなニオイがする?

スマホは脂ぎってない?
雨で濡れてない?
しっかりスクロールするんだ。
あ、触覚です。


動画中で太陽が出てくるが、
一瞬「まぶしいッ」と思ってしまう

動画中で流れている音が、
すべて本当だと信じ込む――

騙された感覚器官たち。


実際にはそれは、

太陽の光ではなくスマホの光だし、

動画中で流れている音には1つ、
あとから付け足した音が混ざっている。


でも容易に僕らの感覚器官は、
そこにあるものとして受容し
騙されてしまう。


なんと愛らしいことか。


ずっと労ってあげよう。
この五感を、いつまでも大切に。

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谷 風作 ( Fūsaku Tani )

調理器具としての僕